日本人が直面する3つの経済課題に対応するピクテの「お金のタマゴ」的資産運用とは?

こちらの「210余年の歴史が生んだ ピクテ式投資セオリー」という本を読んで、資産運用に関する知識が100倍ぐらいになったので、ご紹介します笑
没頭して本を読むタイプではないのですが、この本は驚くほど示唆に富んでいて、2〜3時間かけて読み切ってしまいました。(しかも2回!)

200年以上、資産運用会社として超富裕層に支持されてきたピクテとは?

まずは、ナポレオン戦争の時代に創業し、200年以上、超富裕層に信頼され続けているピクテについて紹介させてください。

「減らさない運用」を信条に安定した資産運用をしてきたプライベートバンク

ピクテは「資産を減らさない」ことを信条に、超富裕層を顧客として、安定した運用成績を2世紀以上に渡って維持し続けているプライベートバンクです。

個人投資家界隈で人気のあるウォーレン・バフェット氏やピーター・リンチ氏のように、株式で資産を何倍にもすることを目的とはせず、インフレによる資産の目減りを防ぎ、様々な金融危機に直面しても顧客の資産を守り続けることを第一の目標にしています。

超富裕層が顧客だったため、莫大な資産をインフレによって目減りさせないことが最重要課題でした。
そのため、短期間で資産を急増させても社内で大きく評価されることはなく、安定した資産運用をし続けることが最大の評価ポイントとされています。

徹底した「分散」「長期」投資

ピクテのスタイルは「何があっても資産を減らさないこと」

そのため、徹底した「分散」と「長期」投資を実践しています。

分散する内容も、

  • 地域による分散(世界中の国の資産を購入)
  • アセットによる分散(株・債券・不動産・商品・金など)
  • 各アセットの中でも分散(株ならば、公益・景気循環・生活必需品・IT等)
  • オルタナティブ投資(ロング・ショート運用)
  • 先物・オプションなどの難易度の高い投資

この世の投資商品すべてに投資しているのでは?と思うほどの、幅の広さです。

個人投資家では買えないような新興国の債券やデリバティブ商品を扱えるのは、プライベートバンクの強さでもありますよね!
このピクテのマルチアセットアロケーション戦略はリーマン・ショック時にもプラスの成績を収めるなど、「資産を減らさない」という目標を徹底して達成しています。

ピクテが警鐘を鳴らす日本人が直面する3つの経済課題とは?

このように富裕層の資産を徹底して守ってきたピクテが、著作の中で日本人がこれから直面するであろう3つの経済課題を紹介しています。

  1. インフレ
  2. 円安
  3. 人口減少

この3つが日本人がこれから直面する課題であり、それに対抗するための資産運用が個人投資家には必要になってきます。

インフレ

長いデフレの時代が続き、現金の価値が下がらなかった日本では、インフレはあまり現実味のあるものではありませんでした。

しかし、日本の消費者物価指数は、2013/2の95.7で底をうち、2018年には年率1%まで上がってきています。

アベノミクスで掲げた「2%」のインフレ目標には達成していないにしても、実際にインフレ化は進んでいます。
また、日本だけでなく世界中で量的緩和政策を行っている現在、世界的にインフレする可能性も高いです。

円安

悪いニュースがあるとすぐに円高になるので、円はすぐに高くなるイメージですが、明治維新以降150年の歴史で円高傾向が続いたのは40年程です。

終戦後、奇跡の復活をみせ、世界2位のGDP大国にまで成長した日本は、貿易黒字で大量の外貨を稼いでいたゆえに、ここ40年円高傾向が進んでいました。

しかし、GDPも中国に抜かれ、諸外国に技術でも抜かれ、人口減少と資源がないという苦難が待ち構えている日本は国際競争力が落ちていくことは目に見えています。

技術力の低下と労働人口の減少により、国際競争力が弱っている現代において、円は本来は弱い通貨です。
しかし、今までの「円は強い」という印象から有事には円を買われる流れがあり、円高傾向が続いています。
短期では感情で動き、長期では実態で動く経済。
今後、円が安くなっていく可能性は十分にあります。

人口減少

日本は国土に対して人口の割合が異常に高いです。

本来は6000〜7000万人ぐらいがちょうどいい人数で、1億超の人口が減っていくのは自然な流れです。

また、ベビーブーム時代の労働者が定年を迎え、少子高齢化が一気に進むため、ただの人口減少以上のインパクトが日本を襲います。

少子高齢化・人口減少・国際競争力の低下と、日本はいよいよ弱い国になっていきます。
そして、通貨安とインフレは弱い国の特徴です。

それでは、円安・インフレが起こりうる近い将来に向けて、資産を長く守っていくためのピクテ式投資法を紹介します!

ピクテ式「お金のタマゴ」的資産運用!

PICTET公式サイトより引用

ピクテ式「お金のタマゴ」的資産運用とは、上図のように、安全な投資で守りを固めつつ余裕資金で攻めた投資をする方法です。

ピクテでは5段階で投資の方針を分けていて、リスクの低い順に1つずつ紹介します。

預貯金でなければならない資金

まずはタマゴの1番外側、「預貯金でなければならない資金」です。

これは、その言葉の通り、現金としてすぐに使えるようにしておかなければならない資金です。

ピクテでは2年以内に引き出す資金と定めています。

預貯金でなければならない資金の特徴

  • 現金としてすぐに引き出せるお金
  • 2年以内に引き出す予定の資金
  • すぐに使える資金としてキープしておく

預金でなければならない資金の紹介

欲張らない投資

2番目にリスクの低い投資である「欲張らない投資」

この投資のゴールは、インフレによる現金価値の目減りを防ぐことです。

そのため、低リスクで確実に資産を維持する必要があります。

今までは単純に米国債などの安全なソブリン債に投資しておけばよかったのですが、各国の国債が低金利化したことにより、収益率の低下とボラティリティの増加が起き、債券だけの運用ではインフレヘッジが出来なくなっています。

そのため、ピクテでは様々な投資商品の相関係数を付け合わせ、リスクプレミアムを計算することによって、低リスクでインフレ程度のリターンを享受することに成功しています。

欲張らない投資の特徴

  • インフレ率程度(2%〜5%)の利回りが目標
  • ローリスク・ローリターン
  • 2〜5年の投資期間
  • 全体資産の30〜70%

欲張らない投資の紹介記事

ちょっと欲張った投資

リスク度合いが中間にあたる「ちょっと欲張った投資」

この投資では、1年間で最大25%の下落率までは許容範囲として、少し攻めた投資を行います。

例として挙げられていたのは、

  • 為替ヘッジされた 世界公益株式ファンド
  • 為替ヘッジされた ハイイールドファンド
  • 為替ヘッジされた 新興国債券ファンド

などです。

すべて、為替ヘッジされているところがポイントです。

やはり、為替ヘッジしていないと、投資商品+為替差損という2倍の損益が発生するため、最大下落率25%以内に抑えることはできないからでしょう。

ちょっと欲張った投資の特徴

  • ミドルリスク・ミドルリターン
  • 5〜9年は待つことができる資金
  • 資産の20〜50%

ちょっと欲張った投資の紹介記事

育てる投資

次は、かなりハイリスクな投資になってきます。

リスク度合いでいうと上から2番目の「育てる投資」です。

この投資の絶対条件は「10年以上待つことができる資産で行う」こと。

ハイリスクな投資のため、世界経済の1周期(約10年)は持ちこたえなければなりません。

この投資の例として、

  • 世界分散型の投資ファンド
  • 一般的なバランスファンド

があげられています。

育てる投資の特徴

  • ハイリスク・ハイリターン
  • 10年以上待つことができる資金
  • 資産の20〜50%

育てる投資の紹介記事

スパイス的な投資

最後に1番ハイリスクな「スパイス的な投資」です。

この投資に関しては、今まで紹介した4つの投資を行った上で余裕資金がある投資家のみが対象で、必ずしも実践する必要はありません。

スパイス的な投資は、将来的に大化けする銘柄を狙い撃ちすること。

投資対象の例として、

  • 新興国への投資
  • 先進国のバイオ株

などが挙げられています。

スパイス的な投資の特徴

  • 超ハイリスク・超ハイリターン
  • 必ずしもポートフォリオに組み込む必要はない
  • 流動性リスクが顕在化するので、超長期で保有できる資金
  • 小さな資金で、大チャンスを狙う

スパイス投資の紹介記事

ピクテが提唱する5つの投資方針を紹介しました。
どれも目的が明確化されていて、裏付けされたデータもあるため、納得できる内容です。
超富裕層を相手にするプライベートバンクという優位性があるため、わたしたち個人投資家がそのまま真似をできる投資法ではありません。
しかし、資産運用のよい道標になってくれることは間違いないでしょう。

資産運用の良い指針となる

わたしたち個人投資家とピクテでは異なる点が多く、そのままピクテの運用を真似することは不可能です。

しかし、リスクヘッジの考え方やアセットアロケーションの作り方など、参考にできる部分が多いことは確かです。

個人投資家版ピクテ式投資法を自分で作って運用していくというのもおもしろいかもしれませんね!

これから、数回にわけて、ピクテの5つの投資法についての記事や、個人投資家版ピクテ式投資法などを紹介していくつもりです。
もし、今回の記事が少しでも面白いと思った方はまた遊びに来てくださいね!
記事の更新に関してはtwitterでお知らせいたします☺

もっとピクテについて知りたい人は

ピクテに少しでも興味が湧いた方は、ぜひ、この本を読んでみてください!
長時間読書をすることができない私が、久しぶりに一気に読み切ることが出来た超良書です!!